ある大学生による鳥まとめ

写真整理のついでに過去に撮った野鳥の写真を種類ごとに公開します

モリムシクイ / Wood Warbler

2023年11月 北海道道

2023年11月 北海道道

2023年11月 北海道道

情報をいただいて見ることができた鳥。かわいくてあまりにもいい鳥でした。北海道での野外観察での記録は2例目で、1例目と同様に初冬に、それも都市公園内で観察されているのが興味深いです(おかげで羽毛をたてたモフモフな様子を観察できました)。ヨーロッパで繁殖し熱帯アフリカで越冬するこの鳥、どのようなルートを経て極東域までたどり着いたのか非常に気になるところです。

この日は地鳴きしているところを見つけ、その後も断続的に出現、10分近くにわたって観察を続けられることもありました。目線-6mくらいのところでホバリングをしながら、木の枝に産み付けられた虫の卵のようなものを盛んに捕食していました。針葉樹内に入ることは稀で、落葉した広葉樹にいることが多かったです。カラ類などほかの鳥と混じることはなく(むしろ避けている感じすらあった)単独で行動していました。人目を気にする様子はなく、観察しやすかったです。

【類似種との識別に使える特徴】

・雨覆に翼帯はない。

・眉斑は前方にいくにつれて細まり、途切れる。後ろにいくにつれて太くなる。色はレモンイエロー。過眼線は茶褐色だが、ぱっきりと明瞭なわけではない。頭央線はない。

・頬から喉にかけては白を基調としたレモンイエローで本種を象徴する特徴。腹から下尾筒、脇にかけては雪のような純白で、顔のレモンイエローとのコントラストがある。上面には明るい黄緑色の羽が混じる。腰は黄緑色。

・上嘴は一様に黒色、下嘴は一様に肉色。

・地鳴きは抑揚のないピーという感じ。さえずりは非常に特徴的ですが、日本での春の記録が1例(舳倉島 2015.5.20)しかないことをみると、国内で聞く機会はほとんどないのではないかと思われます。

キマユムシクイ / Yellow-browed Warbler

2023年5月 北海道道

2024年5月 北海道道

【類似種との識別に使える特徴】

・ムシクイ類の中でも小さい。葉の多い樹幹部にいることが多い気がします。

・中、大雨覆に2本の翼帯がある。大雨覆は暗色でヤナギムシクイとの識別に使える。翼帯に沿って暗色部が入る。春の時期は摩耗により中雨覆の翼帯が見えなくなっていることがある。また、三列風切の黄色い羽縁が目立つ。

・眉斑はカラフトのような黄色みは出ない(キマユなのに!)。頭央線はあるが不明瞭で、こちらも黄色味はない。

・上嘴と下嘴の先端は黒色、下嘴基部は淡色。

・下面や下尾筒は灰色-白。

・地鳴きはチユイという感じ、これが連続するようなのが囀りである。

ヤナギムシクイとの識別...キマユとヤナギは難しそうです、見たことないので分かりませんが。(ヤナギは)大雨覆の翼帯が長い。大雨覆は黒っぽくなく背と同じ色。三列の羽縁は目立たない。頭央線は目立たない。地鳴きはハクセキレイに似たチュリッという感じで、囀りは似た節を3-4秒ほどくり返すらしい。

カラフトムシクイ / Pallas's Leaf Warbler

2022年5月 北海道道

2024年5月 北海道道

一番好きなムシクイかもしれない。頭でっかちでドラえもん体型なのがかわいいですね。

 

【類似種との識別に使える特徴】

・ムシクイ類の中でも小さい。尾羽が短く頭が相対的に大きく見えるためアンバランスな見た目。

・中、大雨覆に2本の翼帯がある。大雨覆は暗色で翼帯とのコントラストが目立つ。春の時期は摩耗により中雨覆の翼帯が見えなくなっていることもある。

・眉斑は太く明瞭、前でつながり黄色味を帯びる。頭央線は明瞭で黄色味を帯びる。過眼線ははっきりとした黒色。

・頭部は黒味が強い。腰は黄色い。

・上嘴と下嘴の先端は黒色、下嘴基部は淡色。

・下面や下尾筒は灰色-白。

・地鳴きはテュィッという感じ、囀りは非常に複雑でよどみのないコムクドリのような感じ。

翼帯が2本のムシクイには他にキマユムシクイとヤナギムシクイがいますが、一つ一つ識別点を見ていけばそんなに迷うことはないと思います。

ムネアカタヒバリ / Red-throated pipit

先日北海道にて、ムネアカタヒバリ15羽ほどの群れを観察する機会を得、その羽衣に個体差があっておもしろかったのでまとめてみます。

 

成鳥 2024年9月 北海道道

顔にピンクを多く残す個体。背中に明瞭な縦斑があり、嘴基部は黄色、三列風切が初列を覆うのが本種の特徴。地鳴きもチーといったか細い声で他種とは異なる。

 

成鳥 2024年9月 北海道道

こちらは頬に冬羽的な茶色味が出ている成鳥。観察時も頭の茶色が目立ち、後述する第一回冬羽とは色味の点で異なる印象を受けた。

 

成鳥 2024年9月 北海道道

こちらもピンク味を残すが、より薄くなっているため雌の可能性がある。

 

幼鳥 2024年9月 北海道道

群れの体感7割ほどはこのタイプだった。顔にピンク味は全くなく、眉斑、頬、頸部、腹部にかけて黄色味が強い。日の光を受けて金色に見える個体もいた。第一回冬羽と考えている。

 

幼鳥 2024年9月 北海道道

こちらもピンク味は全くないが、一つ上の個体と比較して黄色味は薄く、眉斑や喉にかけての白味が強い。群れの中で目立ち遠目ではセジロタヒバリも疑った個体。

 

【類似種との識別】

以下ではムネアカ第一回冬羽との識別について記します。

タヒバリビンズイとの識別...(両種は)背中の縦斑が濃くない。ムネアカ以外にも、セジロ、マキバ、ウスベニ、ヨロビンなど珍鳥と呼ばれるタヒバリ類は総じて背中が濃いので、背の縦斑が濃ければとりあえずちゃんと見ようということになります。

セジロタヒバリ冬羽との識別...(セジロは)背中の縦斑に白っぽい4本があり目立つが、ムネアカでもそのような個体はいる。全長は一回り小さく、嘴も若干短い。嘴基部はピンク色。初列は突出。大雨覆羽縁のバフ味は薄い傾向があるようだが、個体差もありそう。地鳴きはハクセキレイ的らしい。

マキバタヒバリ冬羽との識別...(マキバは)背中の縦斑に白味がない。眉斑は目立たない。爪が黒く、後趾の爪は直線的で長い。初列は突出。上面の緑褐色が強い。日本で聞かれた地鳴きはピピッという感じらしい。

ウスベニタヒバリ冬羽との識別...(ウスベニは)背中の縦斑に白味がない。体下面は薄紅色が差す。嘴基部は肉食?少なくとも黄色ではない。小雨覆や腋羽はレモン色であるらしい。初列はやや突出。地鳴きはタヒバリ的。

ヨーロッパビンズイとの識別...(ヨロビンは)初列が突出しない点でムネアカと同じだが、眉斑は目立たない。嘴基部はピンク色。頬に不明瞭な斑がある。腹部の縦斑は脇で針状に細まる。地鳴きはビンズイ的。

アシナガウミツバメ / Wilson's Storm Petrel

幼鳥 2024年8月 八戸-苫小牧航路(苫小牧沖)

みずかきの黄色がギリギリ見える。水面に足をつけてひらひら飛ぶ特徴的な飛び方。初列が換羽しておらず羽衣もフレッシュなため幼鳥とした。

幼鳥 2024年8月 八戸-苫小牧航路(苫小牧沖)

この個体は衰弱していたのか、苫小牧港入港直前で船から必死に逃げるように飛び去っていき、その後ウミネコ幼鳥から襲撃をうけていた。ウミネコとのサイズ差にも注目。

幼鳥 2024年8月 八戸-苫小牧航路(苫小牧沖)

【類似種との識別】

第一に、ウミツバメ類は写真を撮って識別するべきだと思った。自分はこの航路でハグロシロハラミズナギドリやクビワオオシロハラミズナギドリを本気で狙っていたため、双眼鏡での探索に集中した。そこで感じたのは、ウミツバメ類は双眼鏡で識別するには小さすぎるということで、条件次第でコシジロウミツバメの腰の白すら見えないこともしばしばあった。まして遠くのオーストンウミツバメのサイズ感やクロコシジロウミツバメの腰の白の食い込みなど見えるはずもない。ウミツバメの出がいい日は波も高いため、波の陰に隠れてしまうこともよくあった。実際に今回の航路ではオーストン2個体、アシナガ1個体を見落としていることが、同乗者撮影の写真から発覚してしまった。なお本個体は比較的近くを飛んだため双眼鏡でも識別できた。

他のウミツバメ類との識別...(アシナガは)小さい、近くを飛んだ今回は双眼鏡でもわかった違和感。尾羽から足が突出するが、隠れて見えないこともある。足を垂らしながら飛翔していたが、他のウミツバメ類でも離着水のときなどに足を垂らしていることがあるので注意。尾羽は短くて角尾。翼は短い。翼角がとがらない、翼付け根から翼角の長さは短く、湾曲が少ないイメージか。雨覆の明色は細短く翼角には達しない。翼後縁は直線的。腰の白は広いとされるが、写真の個体は下腹部に食い込む様子は見えない。

---

『新海鳥ハンドブック(2020 文一総合出版)』などを参考

ケアシノスリ / Rough-legged Buzzard

幼鳥 2022年12月 北海道道

幼鳥 2022年12月 北海道道

幼鳥 2022年12月 北海道道

いずれも別個体。

ケアシノスリ成鳥になると、尾羽のバンドが増える、翼上面の初列の白色が見えなくなる、翼下面後縁の黒色が濃くなる、虹彩の色が暗色になるなどの特徴を持つようになる。この日見たケアシノスリ10個体は全て幼鳥だった。

ハジロコチドリ / Ringed Plover

幼鳥 2022年10月 北海道道

幼鳥 2022年10月 北海道道

みずかきはないですが、そんなに簡単にあったら困ります。

2024年1月 北海道道

2021年1月 愛知県

【類似種との識別】

ミズカキチドリとの識別...(ミズカキは)嘴が短い傾向がある。成鳥の眉斑は短く、幼鳥でもより細い傾向がある。成鳥では夏羽冬羽問わずアイリングが見える。幼鳥の上面のサブターミナルバンドは目立たない。初列風切の羽軸の白色は4-5枚(ハジコチでは3-4枚)。過眼線は口角につかない。地鳴きも異なる。このあたりを踏まえて足をねばると、内趾と中趾の間にもみずかきがある(非常に小さく条件によっては見えないことも多い)。胸の黒帯はミズカキの方が細いようですが、写真を比較しても分かりにくいように私には思えました。