北海道の鳥を回顧するだけのブログ

写真整理のついでに過去に撮った野鳥の写真を種類ごとに投稿します

トウゾクカモメ科識別練習

近々船に乗ろうと思うので、海鳥初心者なりにトウゾクカモメの識別を復習してみます。間違いなどありましたらご指摘ください。

トウゾクカモメ成鳥夏羽→冬羽 2022年11月 八戸-苫小牧航路

尾羽がみえ、体型、嘴も典型的。翼下面が一様に暗色なので成鳥とした。下尾筒に白い羽毛がみえなくもないことから冬羽への換羽中とした。初列はP7脱落?

クロトウゾクカモメ成鳥夏羽 2023年10月 八戸-苫小牧航路

尾羽は脱落している。腹部までの白さ、頭巾の形、胸が突き出た体型はシロトウを思わせるが、翼下面の白斑、翼上面初列に見える羽軸の特徴、下尾筒の暗色から、クロトウとした。

クロトウゾクカモメ第二回夏羽 2024年8月 八戸-苫小牧航路

翼下面の白斑、翼上面初列に見える羽軸の数、尾羽の形状、嘴の細さ、体型など問題なくクロトウ。

シロハラトウゾクカモメ成鳥夏羽 2024年8月 八戸-苫小牧航路

尾羽は脱落しているが、体形など典型的なシロトウ。下尾筒はボヤっと暗く、2枚目にシロトウと迷いつつもクロトウとした個体との違いに注目。

シロハラトウゾクカモメ第一回夏羽 2024年8 八戸-苫小牧航路

顔周りから胸にかけてボヤっと暗色であるため、第一回夏羽とした。寸詰まりのふと短い体型が分かりやすい。

シロハラトウゾクカモメ暗色型 2023年7月 八戸-苫小牧航路

寸詰まりで胸が張り出した体型と嘴の細長さなどから、シロトウとした。腹部も含めて全身茶色であり、暗色型ではありそうな個体。

シロハラトウゾクカモメ未成鳥 2023年7月 八戸-苫小牧航路

嘴の細長さからトウゾクカモメではないと判断。下尾筒が明瞭に斑があるため、シロトウと判断した。飛んでいないと情報が少なく難しいです。

 

参考文献

・箕輪義隆(2017). 新海鳥ハンドブック. 文一総合出版.

・Lars Svensson et al. (2017). COLLINS BIRD GUIDE 2nd Edittion.

・千嶋淳(2015). 北海道の海鳥5 トウゾクカモメ類・アジサシ類. 道東鳥類研究所.

北海道で観察したヒバリ科

北海道でヒバリ科をいくつか観察しているので、観察記録をまとめてみました。

ヒバリ 2023年5月 北海道道北

まずはヒバリ。写真がぱっとでてこないのでこんな写真ですが。大学構内にも腐るほどいた鳥で、かえって写真を撮っていませんでした。普通種もしっかり観察しなければなりませんね。

ハマヒバリ 2023年12月 北海道道央

この鳥は北海道に来てぜひとも見たかった憧れでしたので、自力で見つけることができて感無量でした。工事が入る前の砂利質の空き地にしばらく居ついており、イネ科植物の種子を盛んに啄んでいました。同時に5羽観察されていました。

コヒバリ 2023年3月 北海道道央

こちらは適当に足を運んだ場所で見つけたコヒバリ。イネ科草本草地と防風柵を後背に置く海岸堤防の上にいました。運だけですが、北海道のポテンシャルの高さに震えました。写真だと見えにくいですが、初列の突出と嘴の黄色が特徴です。

ヒメコウテンシ 2023年5月 北海道道北

人生が狂ったともいえる離島遠征の一幕。この時は同じ空き地にヤツガシラがいました。嘴はピンク色。

ヤマヒバリ 2023年5月 北海道道北

おまけ。イワヒバリ科ですが。ヒメコウを見つけた離島遠征のハイライトのうちの一種。適当な路地でスズメ複数羽と採餌していました。発見当初はヤマヒバリなどすっかり頭になく、同行者にミヤマホオジロだと伝えていた恥ずかしい思い出。

ハジロミズナギドリ / Providence Petrel

2023年10月 仙台-苫小牧航路(津軽海峡沖)

2023年10月 仙台-苫小牧航路(津軽海峡沖)

2023年10月 仙台-苫小牧航路(津軽海峡沖)

北海道民にとって最もなじみ深いPterodromaで、秋に船に乗るととりあえずいるよね、といった鳥です。しかし仙台→苫小牧フェリーで10/1に青森沖を通過したこの時は、写真3枚目のような大規模な群れにいくつも遭遇し、全体で600羽近いハジロミズナギドリを観察しました。風が特別よかったわけではなく、渡りの波にあたったのかもしれません。

モリムシクイ / Wood Warbler

2023年11月 北海道道央

2023年11月 北海道道央

2023年11月 北海道道央

情報をいただいて見ることができた鳥。かわいくてあまりにもいい鳥でした。北海道での野外観察での記録は2例目で、1例目と同様に初冬に、それも都市公園内で観察されているのが興味深いです(おかげで羽毛をたてたモフモフな様子を観察できました)。ヨーロッパで繁殖し熱帯アフリカで越冬するこの鳥、どのようなルートを経て極東域までたどり着いたのか非常に気になるところです。

この日は地鳴きしているところを見つけ、その後も断続的に出現、10分近くにわたって観察を続けられることもありました。目線-6mくらいのところでホバリングをしながら、木の枝に産み付けられた虫の卵のようなものを盛んに捕食していました。針葉樹内に入ることは稀で、落葉した広葉樹にいることが多かったです。カラ類などほかの鳥と混じることはなく(むしろ避けている感じすらあった)単独で行動していました。人目を気にする様子はなく、観察しやすかったです。

【類似種との識別に使える特徴】

・雨覆に翼帯はない。

・眉斑は前方にいくにつれて細まり、途切れる。後ろにいくにつれて太くなる。色はレモンイエロー。過眼線は茶褐色だが、ぱっきりと明瞭なわけではない。頭央線はない。

・頬から喉にかけては白を基調としたレモンイエローで本種を象徴する特徴。腹から下尾筒、脇にかけては雪のような純白で、顔のレモンイエローとのコントラストがある。上面には明るい黄緑色の羽が混じる。腰は黄緑色。

・上嘴は一様に黒色、下嘴は一様に肉色。

・地鳴きは抑揚のないピーという感じ。さえずりは非常に特徴的ですが、日本での春の記録が1例(舳倉島 2015.5.20)しかないことをみると、国内で聞く機会はほとんどないのではないかと思われます。

 

参考文献

・五百澤日丸ほか(2014). 新訂 日本の鳥550 山野の鳥. 文一総合出版.

・BIRDER, 2023年6月, ムシクイ類完全攻略ガイド. 文一総合出版.

キマユムシクイ / Yellow-browed Warbler

2023年5月 北海道道北

2024年5月 北海道道北

【類似種との識別に使える特徴】

・ムシクイ類の中でも小さい。葉の多い樹幹部にいることが多い気がします。

・中、大雨覆に2本の翼帯がある。大雨覆は暗色でヤナギムシクイとの識別に使える。翼帯に沿って暗色部が入る。春の時期は摩耗により中雨覆の翼帯が見えなくなっていることがある。また、三列風切の黄色い羽縁が目立つ。

・眉斑はカラフトのような黄色みは出ない(キマユなのに!)。頭央線はあるが不明瞭で、こちらも黄色味はない。

・上嘴と下嘴の先端は黒色、下嘴基部は淡色。

・下面や下尾筒は灰色-白。

・地鳴きはチユイという感じ、これが連続するようなのが囀りである。

ヤナギムシクイとの識別...キマユとヤナギは難しそうです、見たことないので分かりませんが。(ヤナギは)大雨覆の翼帯が長い。大雨覆は黒っぽくなく背と同じ色。三列の羽縁は目立たない。頭央線は目立たない。地鳴きはハクセキレイに似たチュリッという感じで、囀りは似た節を3-4秒ほどくり返すらしい。

 

参考文献

・五百澤日丸ほか(2014). 新訂 日本の鳥550 山野の鳥. 文一総合出版.

・BIRDER, 2023年6月, ムシクイ類完全攻略ガイド. 文一総合出版.

カラフトムシクイ / Pallas's Leaf Warbler

2022年5月 北海道道央

2024年5月 北海道道北

一番好きなムシクイかもしれない。頭でっかちでドラえもん体型なのがかわいいですね。

 

【類似種との識別に使える特徴】

・ムシクイ類の中でも小さい。尾羽が短く頭が相対的に大きく見えるためアンバランスな見た目。

・中、大雨覆に2本の翼帯がある。大雨覆は暗色で翼帯とのコントラストが目立つ。春の時期は摩耗により中雨覆の翼帯が見えなくなっていることもある。

・眉斑は太く明瞭、前でつながり黄色味を帯びる。頭央線は明瞭で黄色味を帯びる。過眼線ははっきりとした黒色。

・頭部は黒味が強い。腰は黄色い。

・上嘴と下嘴の先端は黒色、下嘴基部は淡色。

・下面や下尾筒は灰色-白。

・地鳴きはテュィッという感じ、囀りは非常に複雑でよどみのないコムクドリのような感じ。

翼帯が2本のムシクイには他にキマユムシクイとヤナギムシクイがいますが、一つ一つ識別点を見ていけばそんなに迷うことはないと思います。

 

参考文献

・五百澤日丸ほか(2014). 新訂 日本の鳥550 山野の鳥. 文一総合出版.

・BIRDER, 2023年6月, ムシクイ類完全攻略ガイド. 文一総合出版.

ムネアカタヒバリ / Red-throated pipit

先日北海道にて、ムネアカタヒバリ15羽ほどの群れを観察する機会を得、その羽衣に個体差があっておもしろかったのでまとめてみます。

 

成鳥 2024年9月 北海道道北

顔にピンクを多く残す個体。背中に明瞭な縦斑があり、嘴基部は黄色、三列風切が初列を覆うのが本種の特徴。地鳴きもチーといったか細い声で他種とは異なる。

 

成鳥 2024年9月 北海道道北

こちらは頬に冬羽的な茶色味が出ている成鳥。観察時も頭の茶色が目立ち、後述する第一回冬羽とは色味の点で異なる印象を受けた。

 

成鳥 2024年9月 北海道道北

こちらもピンク味を残すが、より薄くなっているため雌の可能性がある。

 

幼鳥 2024年9月 北海道道北

群れの体感7割ほどはこのタイプだった。顔にピンク味は全くなく、眉斑、頬、頸部、腹部にかけて黄色味が強い。日の光を受けて金色に見える個体もいた。第一回冬羽と考えている。

 

幼鳥 2024年9月 北海道道北

こちらもピンク味は全くないが、一つ上の個体と比較して黄色味は薄く、眉斑や喉にかけての白味が強い。群れの中で目立ち遠目ではセジロタヒバリも疑った個体。

 

【類似種との識別】

以下ではムネアカ第一回冬羽との識別について記します。

タヒバリ、ビンズイとの識別...(両種は)背中の縦斑が濃くない。ムネアカ以外にも、セジロ、マキバ、ウスベニ、ヨロビンなど珍鳥と呼ばれるタヒバリ類は総じて背中が濃いので、背の縦斑が濃ければとりあえずちゃんと見ようということになります。

セジロタヒバリ冬羽との識別...(セジロは)背中の縦斑に白っぽい4本があり目立つが、ムネアカでもそのような個体はいる。全長は一回り小さく、嘴も若干短い。嘴基部はピンク色。初列は突出。大雨覆羽縁のバフ味は薄い傾向があるようだが、個体差もありそう。地鳴きはハクセキレイ的らしい。

マキバタヒバリ冬羽との識別...(マキバは)背中の縦斑に白味がない。眉斑は目立たない。爪が黒く、後趾の爪は直線的で長い。初列は突出。上面の緑褐色が強い。日本で聞かれた地鳴きはピピッという感じらしい。

ウスベニタヒバリ冬羽との識別...(ウスベニは)背中の縦斑に白味がない。体下面は薄紅色が差す。嘴基部は肉食?少なくとも黄色ではない。小雨覆や腋羽はレモン色であるらしい。初列はやや突出。地鳴きはタヒバリ的。

ヨーロッパビンズイとの識別...(ヨロビンは)初列が突出しない点でムネアカと同じだが、眉斑は目立たない。嘴基部はピンク色。頬に不明瞭な斑がある。腹部の縦斑は脇で針状に細まる。地鳴きはビンズイ的。